読書

AIに対抗するのではなく、知識を知恵に変え体験的共感力を身に付ける

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知識だけを持つ優位性が低下していく

最近は、私たちの日常生活の中にもAIが浸透してきました。

AIに対抗して、今のままでは仕事がなくなってしまう、と言われて久しい。そうならないために具体的に何をしたらよいのか?

その道案内になるのが、こちらの本です。

 

この本の良い点は、理論や理屈だけに終始しないところです。

著者は実際の現場での経験も豊富なので、机上の内容にとどまらず、現場のことも熟した上で書かれており、共感できる内容が豊富です。

従来は知識が豊富で、博学タイプのいわゆるエリートと言われる人たちがもてはやされました。しかしながら、それらの人たちは知識を語れても現場での実践に乏しいため、人を説得し動かす力に欠けることが多い気がしています。

今の時代、ひと昔に比べてネットも発達し、知識は誰でもすぐ調べられる。知識を持っている重要性は低下しています。

すぐ知りたい答え、それも幾通りもの答えはAIが導き出してくれる。別に、エリートが調べなくても、正しい答えは分かる。

AIは既存の知識を素早くかつ性格に私たちに提供してくれる。

知識の重要性が低下しているのであれば、人の存在感は何を持って示すことができるのか?

知識から知恵に変えていくこと

現場は日々、環境の変化と発生するトラブルに見舞われている。これらに対応していくためには、知識だけではとても太刀打ちできない。

知識を現場で使えるようにするためのひと工夫が必要となる。いわゆる「知恵」と呼ばれるものである。「知恵」は現場で日々格闘し、失敗を重ね試行錯誤する中で身に付くもの。時間の積み重ねがものを言う。

AIは知識を活用するために、知恵はその知識を現場で実践し使えるものにするために。

AIと対抗する前に、人がやるべきことがここにあります。

体験的共感力を身に付ける

「感性」というと、抽象的で捉えどころがないイメージですが、この本では「体験的共感力」という言葉で書かれています。

体験的共感力を身に付けるには、自分が経験し実践していくことが欠かせない。現場に足を踏み入れ、他のメンバーと一緒になって汗をかく。その中で知識を活用しながら、得たものがやがて知恵に変わっていく。経験し実践したことで語られる言葉は、やがて相手の心に響くようになっていく。それが「体験的共感力」と言えます。

実際は苦労の連続ですが、人が五感を働かせることにより、AIにはない感性を磨くことができようになってきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。