手段が目的化してしまう落とし穴
このことは、勉強以外にも仕事でも言えます。
例えば、
「来週、会社でプレゼンがあるから資料をまとめよう。」と意気込み、
資料作成を始めたとします。この時、
「目的は相手に趣旨を理解してもらい、予算確保や取引先との仕事を進めていく。」
こう考えながら、資料を作っていくのですが、時間が経つと資料のレイアウトや言葉使いばかりが気になり、最終目的が何だったか、置き去りになってしまう経験がありませんか。
(本来の目的は?)
「仕事を通じ、予算確保や取引先との仕事を進めていく。」
(そのために必要な手段)
「パワポ資料をきれいに仕上げて、相手に趣旨を理解してもらう。」
資料のレイアウトや言葉使いが気になり始めた時点で、手段が目的化する危険性が高くなります。ここで注意しないと、せっかくの時間を無駄にしてしまいかねません。
別のブログで「ボイルの法則」と「シャルルの法則」について、手書きノートの一部をアップしました。
勉強について言うならば、
(本来の目的は?)
「これらの法則を踏まえて物理を理解し、特許明細書の背景知識を読み解く。」
(そのために必要な手段)
「自分が理解できるように、自分の言葉で書き図解する。」
ここで、何気なく色とりどりのペンを使って、ノートにきれいに切り貼りすることばかりを意識するようになると、手段が目的化する危険性が高くなっています。
これら仕事と勉強から見た2つの事例は、いずれも私自身が過去に失敗したことを書いたものですが、無理に暗記などでその場しのぎをしようとすると、やる気が失せてしまいます。このとき私が意識していることの1つが、「主述関係を認識すること」です。
主述関係を意識する
「主述関係」と言うと何か難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言うと「主語と述語の関係です。」
これを意識するだけでも、勉強理解の手助けになります。
具体的に「ボイルの法則」と「シャルルの法則」を事例として以下に書いてみます。
・ボイルの法則:一定量の気体の体積は、圧力に反比例する
⇒主語=気体の体積/述語=反比例する
・シャルルの法則:一定量の気体の体積は、絶対温度に比例する
⇒主語=気体の体積/述語=比例する
共通の主語は「気体の体積」であり、どちらの法則も「気体」を話題にしています。ここを押さえておく必要がありそうです。私は以前ここを勉強した際、「圧力?体積?絶対温度?」「曲線と直線の2種類あるの?」単に定義を調べて、ノートに貼り付けただけで済ましていました。なので熱力学の中で再出した際、勉強したいことをほとんど忘れていて、再度まとめ直す必要がありました。当時の勉強のやり方では、頭が混乱してしまい自分が納得出来ませんでした。今回、ノートをまとめながら意識したことは次のことでした。
「共通の主語である、気体がそれぞれの法則で話題になっている。」
この点を意識すると何も考えずに単に暗記で理解したつもりにならなくて済みます。
大人になってからの勉強ですので、「テストで高得点を取る」などのきっかけがない限り、勉強の質をあげるには、自分でコントロールしないといけません。
主述関係を意識することは、仕事や勉強に限らず、読書においても有効です。
物理基礎の勉強を通じですが、実際に私が感じたことを書いてみました。